交流アーク溶接機が無負荷のとき,溶接棒ホルダと母材の間の無負荷電圧は最高95Vであり,感電の危険性がある.したがって,狭い箇所や2m以上の高所での溶接作業は感電防止のため電撃防止装置の使用が義務づけられている.電撃防止装置はアーク休止時に,ホルダと母材間の電圧を25Vに低下させる装置である.[JIS C 9311]では,溶接開始時,溶接棒の接触所用時間が0.03秒以内,無負荷電圧がかかるまでの始動時間が0.06秒以内,アークを休止して25V以下の電圧になるまでの遅動時間を1.0±0.3秒と規定している.