テンソル表示では,応力成分\({\sigma _{ij}}\)に対し偏差応力成分は\({\sigma _{ij}} = {\sigma '_{ij}} - {\sigma _m}{\delta _{ij}}\)と表せる.ここに,\({\sigma _m} = \left( {1/3} \right)\left( {{\sigma _x} + {\sigma _y} + {\sigma _z}} \right)\)は平均垂直応力であり,また,\({\delta _{ij}}\)はクロネッカのデルタである.\({\sigma _m}\)は静水応力状態を表すから,偏差応力は物理的には「所定の応力状態の静水応力状態からの偏り」を表す.降伏条件や一般の塑性変形では\({\sigma _m}\)は関与しないと考えられ,降伏条件は\({\sigma '_{ij}}\)の関数として,また塑性構成式は塑性ひずみ(増分)と\({\sigma '_{ij}}\)の間の関係式として記述される.\({\sigma '_x} + {\sigma '_y} + {\sigma '_z} = 0\)に注意.【偏差成分】