物体内に固定した直角座標系\(\left( {{x_1},{x_2},{x_3}} \right)\)において変位ベクトルuのx3方向成分u3が物体内いたるところでu3=0であり,残りの成分u1,u2が座標x1,x2だけの関数であるとき,物体は平面ひずみの状態にあるという.すなわち,平面ひずみ状態は平面変形と同じである.平面ひずみ状態における応力と変位の関係は,\[\begin{array}{l} {\sigma _{ij}} = \lambda {u_{k,k}}{\delta _{ij}} + \mu \left( {{u_{i,j}} + {u_{j,i}}} \right)\\ {\sigma _{33}} = \lambda {u_{k,k}} = \nu {\sigma _{kk}} \end{array}\]ここでi,j,k=1,2であり,さらにλ,μはラーメの定数,νはポアソン比,δijはクロネッカのデルタである.応力の釣合式は\({\sigma _{ij,j}} = - {F_i}\left( {{x_1},{x_2}} \right)\)であり,平面ひずみ状態における応力と変位の関係式を応力の釣合式に代入すれば,平面ひずみ状態におけるナビエの方程式\[\mu {u_{i,kk}} + \left( {\lambda + \mu } \right){u_{k,ki}} = - {F_i}\left( {{x_1},{x_2}} \right)\]を得る.平面ひずみ状態における物体の変位および応力はx3に無関係であるから,x3軸に垂直な任意の断面における変位および応力だけを考えればよい.このような意味においては,弾性問題の平面ひずみ解と平面応力解はお互いに次のような関係を持つ.すなわち,横弾性係数Gとポアソン比νで表わされた平面応力解において,νの代わりにν/(1-ν)を代入すれば,平面ひずみ解が得られる.従って,平面ひずみ問題と平面応力問題を合せて二次元弾性問題という.【平面応力状態】