材料に通常では静的破壊を起こさないような低い負荷を繰返し与えることによって生じる破壊を,疲労または疲労破壊という.この疲労破壊を生じるまでの繰返し数(疲労寿命)や破断にいたる過程の種々の変化を調べる試験を疲労試験という.図は繰返し負荷波形の一例として一定振幅の正弦波形を示す.繰返し負荷波形は平均応力σm(平均ひずみεm)と応力振幅σa(ひずみ振幅εa),また最大応力σmax(最大ひずみεmax)と最小応力σmin(最小ひずみεmin)の組合せとして与えられる.もし\({\sigma _m} = 0\left( {{\varepsilon _m} = 0} \right)\)ならば,完全両振り疲労試験,\({\sigma _{\min }} = 0\left( {{\varepsilon _{\min }} = 0} \right)\)ならば完全片振り疲労試験と称する.両者の中間の場合はパラメータとして\({\sigma _m}\left( {{\varepsilon _m}} \right)\)または応力(ひずみ)比\(R = {\sigma _{\min }}/{\sigma _{\max }}\left( {{\varepsilon _{\min }}/{\varepsilon _{\max }}} \right)\)などを明記する.疲労試験には,繰返し負荷の種類により,引張り-圧縮,曲げ(回転曲げ,平面曲げ),ねじり疲労試験,および曲げ-ねじりなどの組合せ負荷疲労試験などがある.