弾性体に外力が作用するときの物体内の変位,ひずみ,応力状態を明らかにする学問である.固体は外力を受けると,変形により変位・ひずみを生じ,外力に抵抗して応力を生じる.これらの量の間には変位とひずみ,ひずみと応力,応力の釣合い式の関係がある.この関係をいかに表すかによって,静弾性学,動弾性学,熱弾性学,異方性弾性学など種々の理論が構成される.それらの分類を以下に示す.
①変位とひずみの関係
・微小変形理論:変形は微小
・有限変形理論:変形は有限(幾何学的非線形)
②応力とひずみの関係
・線形理論
等方性:フックの法則に従う
異方性:一般化されたフックの法則に従う
熱変形:デュアメル・ノイマンの熱弾性法則に従う
・非線形理論
材料非線形:ムーニイ弾性など
③応力の釣合い(式)
・(静)弾性理論:静止状態(物体力=0)
・動弾性理論:運動状態(物体力∝加速度)
多くの場合,弾性学(または弾性理論,応用弾性学)は,静止状態において等方等質な線形弾性体を対象にした線形微小変形理論をさす.弾性学は,立体を対象とした三次元弾性理論が最も普遍的であるが,特定の形状や負荷状態を近似して簡略化した二次元弾性理論,板理論,殻理論などもある.