強度設計を行う場合に,経験的な安全率を用いる設計に対比される設計法で,破損確率や安全性指標を許容値の目安とする設計法.確率論的設計と呼ばれることもある.実働応力のばらつきと強度のばらつきを考慮することにより,設定する安全率と破損確率の関係を定量的に評価することが行われる.このように,荷重と強度の統計的性質を考慮して評価することにより,安全率が単なる主観的,経験的な指標ではなく,より客観性のある尺度として取扱える.また,設計対象の重要度に応じて,信頼性設計の水準を区分することができる.例えば,土木,建築分野におけるレベルI,レベルⅡ,レベルⅢ,あるいは,アメリカの軍用機などで採用されているA許容値,B許容値などがこれにあたる.航空機における,損傷許容設計法,土木,建築などの分野の荷重強度係数設計法,船舶における直接設計法などは,信頼性設計の考え方を取入れた代表的な例である.【安全率】