破壊力学パラメータの一つであり,二次元静的非線形弾性問題または除荷のない全ひずみ塑性問題に対して,次の経路独立積分によって定義される.\[J = \int_\Gamma {\left( {{W_{{n_1}}} - \boldsymbol{T} \cdot \frac{{\partial \boldsymbol{u}}}{{\partial {x_1}}}} \right)d\Gamma } \]ただし,x1軸上にき裂が存在するとし,き裂面には表面力は作用しないとする.Γはき裂下面から出発し,き裂先端を回ってき裂上面で終わる任意の閉曲線であり,n1はその単位法線のx1軸に平行な方向の成分である.W,Tおよびuはそれぞれひずみエネルギー密度,表面力および変位である.J積分はき裂先端近傍の特異応力場の強さを表す.また,非線形弾性体の場合にはエネルギー解放率という物理的意味を持つ.標準的な試験片に対しては上式の値はJ積分の簡便式からも求めることができる.クリープき裂先端近傍の特異場の強さを表すために上式を若干修正した修正J積分が提案されている.【弾塑性破壊力学】