Griffithは,脆性固体の破壊条件として,き裂を有する物体のエネルギーバランスに基づいて,き裂が成長して破壊にいたるためには,き裂の成長に伴う力学的ポテンシャルエネルギーの減少(解放)が,新しいき裂面を形成するのに必要なエネルギーを超えなければならないとした.これをグリフィスの条件という.さらに,Orowan, Irwinらは,き裂面を形成するのに必要なエネルギーにき裂先端の塑性仕事を考慮することにより,この条件を弾塑性材料に対しても適用できるように拡張し(グリフィス・オロワン・アーウィンの条件),破壊力学の基礎を築いた.