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逆問題

inverse problem

 通常の入力から出力を求める順問題とは逆に,出力より入力を求めたり,結果から原因を求めようとする問題を総称したものである.逆問題の取扱いを,逆問題解析あるいは逆解析という.逆問題の分類について考えてみると,通常の場の解析である順解析を行い,出力である応答を求めるためには,次の入力情報が不可欠である.①解析領域Ωとその境界Γ,②支配方程式,③境界条件(必要があれば初期条件),④領域内の負荷f,⑤材料特性κの分布.これらの要件のいずれかが未知であるときに,これらを同定しようとする以下の5種類のものすべてが逆問題である.①領域Ωの形状や領域内の未知境界を同定する問題(境界/領域逆問題,②支配微分方程式を推定する問題(支配方程式逆問題),③境界Γの一部あるいは全部における境界値,あるいは領域Ω内で定義される初期値を求める問題(境界値/初期値逆問題),④領域Ωの内部で作用している負荷fを求める問題(負荷逆問題),⑤領域Ωの内部における材料特性κを推定する問題(材料特性逆問題).逆問題には通常不適切性があり,①解の存在性,②解の一意性,③解の安定性の三つの要件のいずれかが欠落している.この不適切性に対処するため,逆解析には適切化解法が用いられる.

07/1002756.txt · 最終更新: 2023/02/17 10:58 by 127.0.0.1