弾性論において,応力成分を1個または数個の関数の微分形などで表し,応力の釣合い式を満足させるとき,これを応力関数という.二次元弾性論におけるエアリーの応力関数χ(x, y)が有名である.エアリーの応力関数χ(x, y)は複素数z=x+iyの解析関数φ(z), ψ(z)を用いて\[\chi (x,y) = Re[\bar z\phi (z) + \psi (z)]\]と表わされる.ここで,Reは複素数の実部を示し, ̄は共役複素数を示す.この解析関数φ(z), ψ(z)を複素応力関数といい,この式のグルサーの表示という.三次元弾性論では,マックスウェル,モレラ,ブシネ(調和関数),パプコビッチ・ノイバー(調和関数),ドューガル(調和関数),ガラーキン(重調和関数),ミッチェル(重調和関数)などの応力関数がある.三次元弾性論では変位成分をある関数の微分形で表示することから導出しているために,変位関数を呼ぶこともある.【エアリーの応力関数,グルサーの応力関数,ブシネの変位関数,パプコビッチ・ノイバーの変位関数,ミッチェルの変位関数】