スクラップなどの廃棄物から有用な物質を抽出回収し再生利用する一連あるいは部分的な行為の総称である.ライフスタイルの変化に伴う廃棄物の増大傾向は大きな社会問題であるが,一般に廃棄物による環境への負荷を低減させるには以下の三段階に分けて考える.①生産から消費にいたる各段階における系内での原材料または消費材のクローズトシステムを確立する.②上記の各段階から,やむを得ず排棄されるものは,適切な収集・再資源化処理を行う.③その過程においても生ずる排棄物は焼却または埋立し,エネルギー的,資源的に再利用する.これまでの排棄物政策は主として③の焼却や埋立に主点が置かれていたが,最近になり,省エネルギーの観点から再資源化にも目が向けられつつあり,すでに「リサイクル法」や「省エネ・リサイクル支援法」が成立されている.特に前者のリサイクル法では,再生資源としての利用が重要となる第一種製品として自転車やニカド電池を使用する電動工具など十数品目が指定された.これまでの製品設計の主目的は,経済性,安全性,利便性などであったが,上記の法規制により,環境性に対するインパクトへの比重が高まり,製品が環境や資源に与える各種の負荷を製品のライフサイクル全体にわたり定量的に評価するライフサイクルアセスメント(LCA)の考え方が定着し,リサイクルの重要性が認識されている.