不純な溶液から純粋な結晶を析出させる装置で，固液分離精製操作の一つである．蒸発により溶媒を除去するか，あるいは冷却するかすれば，溶液は飽和に達し，やがて結晶を析出し始める．この場合，きわめて徐々に蒸発か冷却を行えば，飽和濃度を過ぎてもなおしばらくは結晶を析出せず，過飽和溶液となる．このような状態を準安定と呼ぶ．結晶を成長させるには，溶液を準安定状態にする必要がある．この領域では添加した種晶は成長するが，溶液からは結晶を析出しない．溶液を過飽和にする方法により，①蒸発式，②冷却式，③反応式などがある．