高炉は鉄皮に700~800mm厚の耐火物を内張りした堅型炉で高炉の頂部に設置した炉頂装入装置より鉄鉱石とコークスを交互に炉内上部に装入し,炉体下部の羽口より1000~1300℃の熱風を連続的に吹込み約1500℃の溶融した銑鉄を生産する.銑鉄1t生産するために約1650kgの鉄鉱石と500kgのコークスを必要とするが近年コークスの供給能力制限と経済性の目的からコークスの代替として微粉炭を羽口から吹込む高炉が増加している.高炉の大きさは内容積で表示され出銑口下端から炉頂部の原料レベル(ストックライン)との間の容積を示す.現在最大級の高炉は5000m3超の内容積を有し日産10000~12000tを出銑している.高炉の出銑を高めるために現在の高炉の多くは炉内を高圧化しており炉頂部で0.15~0.3MPa,羽口部で0.3~0.5MPa程度の圧力で操業されている.高炉の生産性を表示する手段として出銑比が使用されているがこれは一日の出銑量を内容積で除した値で高圧高炉の出銑比(t/m3・日)は2.0~2.5に達する.高炉は炉本体のほかに炉頂に原料を装入する炉頂装入装置,炉内に吹込む熱風を生成する熱風炉設備,炉内で発生した高炉ガスを処理するガス清浄設備,鉄鉱石とコークスを炉頂装入設備に運搬する原料運搬設備など数多くの高炉付帯設備から構成されている.