移動単位相当高さともいい,分離・精製装置の分離能を表し,単位NTU(移動単位数)当たりの塔長である.異なる相の間の物質移動を利用する分離・精製では,移動速度が装置の大きさを決定する.充てん塔で代表される積分接触装置では物質移動流束の増大と界面の接触面積を大きくする必要がある.被吸収ガスが気相から液相に移動する向流接触型ガス吸収塔を例にとると,微小高さdzの間にガスのモル分率がdy減少したとすれば,気相から液相に移動した物質流束は\[ - {G_M}dy = {k_{0y}}a(y - y*)dz\quad (1)\]ここで\({G_M},{k_{0y}}\)およびaはそれぞれガスの供給モル流束,ガス側総括物質移動係数,および比表面積である.塔長zはこれを塔底から塔頂まで積分して次式で与えられる.\[z = ({G_M}/{k_{0y}}a)\int {dy/(y - y*)\quad (2)} \]\({G_M}/{k_{0y}}a\)をHTU,積分部分を移動単位数(NTU)という.