我が国の一次エネルギー源は,1991年には石油57.0%,石炭17.5%,天然ガス10.6%,原子力12.7%などとなっており,石油の輸入依存度は99.7%で海外への依存度は極めて高い.1973年と1979年の2度にわたる石油危機により我が国としても,1979年に燃料資源の有効な利用に資することを目的にいわゆる「省エネルギー法」が成立した.これは,工場,建築物,機械器具などの省エネルギー推進に関する事業者などの努力義務,省エネルギー基準の設定等を定めたものである.さらに,経済成長と地球環境保全とを両立させるため,省エネルギー推進の必要が高まり,1993年3月「エネルギー需要構造高度化関係法律整備法」が成立し,また「エネルギー等使用合理化及び再生資源利用事業活動促進臨時措置法」も同時に成立し,省エネルギーとともにフロンの使用合理化,資源の再生利用の三分野が含まれている.省エネルギーの必要性から,各分野で新技術の開発がなされ,省エネルギー対策と,代替エネルギー化が進んだ.例えば,鉄鋼,セメント,化学工業,食品工業,製紙,繊維工業などの各分野で廃熱の利用,熱貯蔵による省エネルギー技術が開発されてきている.例えば,製鉄の連続鋳造,炉頂圧発電,コークス熱の回収,住宅建設における断熱材,太陽エネルギーの利用,家電産業における節電型商品の開発などがあり,またごみ発電設備の増加も見込まれる.