アミノ酸374残基からなる分子量41785の球状タンパク質.単量体をGアクチン,線維状に重合したものをFアクチンと呼ぶ.Fアクチンは細胞内骨格系の細い線維の主成分で,ほとんどすべての真核細胞中に存在する主要な構造タンパク質であり,細胞形態を定める.また筋収縮や原形質流動などの細胞運動にも関与していて,特にFアクチンはミオシンと相互作用して筋収縮を引起こす.筋肉以外の細胞では,種々のアクチン結合タンパク質が,Fアクチンの重合阻害,ゲル化,束形成などの作用を通じて細胞運動を制御していると考えられる.