分子粘性は物理的な粘性であるのに対して,数値的な安定性を確保するために人工的に付加される粘性を人工粘性と呼ぶ.例えば,移流拡散方程式を\[\frac{{\partial \phi }}{{\partial t}} + u\frac{{\partial \phi }}{{\partial x}} = \frac{\partial }{{\partial x}}\left( {\nu + {\nu ^*}} \right)\frac{{\partial \phi }}{{\partial x}}\]と表す.ここでνは分子粘性であり,ν*は人工粘性である.人工粘性は離散化手法によって異なった値をとる.風上差分法ではν*=uΔx/2,ラックス法ではν*=Δx2/2Δt,ラックス・ベンドルフ法ではν*=Δtu2/2となる.