品質管理

quality control

 買手の要求に合った品質の品物またはサービスを経済的に作り出すための手段の体系.品質管理は,製造工程の品質のばらつきを統計的な考え方に基づいて異常を見いだすシューハートの管理図や,品質を保証するための抜取検査からはじまった.特に,事実や問題を観察し統計的な考え方に基づき分析し,PDCA(計画,実行,結果のチェック,アクションのサイクル)を回すことによって製造品質を管理・向上する概念,体系は,統計的品質管理(SQC)と呼ばれる.このような考え方は,製造品質から設計品質,新製品開発段階の品質保証まで対象とするようになった.さらに製品の品質だけでなく,サービスや仕事の質を対象にした品質管理を効果的に実施するためには,SQCの手段に加えて,企業の全部門,そしてトップからラインの従業員にいたるまでの参加と協力が必要であり,その側面からはTQC(Tはtotal,Tのかわりにcompany-wideという意味でCWQCといわれることもある)と呼ばれ,我が国で実施,体系付けられたものである.すべての仕事の後工程はお客様という考え方に基づく方針管理や機能別管理,そして日常的にPDCAサイクルを回すことによる品質向上や企業体質の改善をはかると言うTQCの考え方は,製造業だけでなくすべての業種で実施されるようになり,海外ではTQM(management)として全世界に広まっている.