計算機援用設計または,コンピュータ支援設計の呼称のとおり,設計者が人間とコンピュータとの特性を活かしながら設計を進める技術あるいは技法である.CADの歴史は,1950年代からコンピュータを利用した設計の自動化に始まり,製品設計の中核をなす図形処理を扱うCADとしての研究は,1959年にMITのプロジェクトとして開始された.1963年には,同Sutherland I. E.がCRT(cathode ray tube)とライトペンを用い対話しながら図形処理を行うSKETCHPADを発表し,今日のCADの形態がつくれた.CADを構成する機能としては,適用分野の違いはあるが,次の機能要件からなる.基本的には,データベース操作モジュール,図形処理モジュールそして対話および表示制御モジュールとから構成される.CADでは対象とする製品をデータモデルとして扱うが,これには「製品モデル」という概念がある.本モデルは形状を規定する幾何・位相情報と,製品が持つ属性情報やライフサイクルに関する各種情報から構成される.形状モデルの種類としては線モデル,サーフェスモデルと立体モデルとに分類される.CADの発展に伴い,各CADシステム間や適用業務ごとのCAD/CAM/CAE/CATなどの各CADシステム間のデータ交換が必要となり,国際標準規格STEPが推進されている.