レーザ

laser, laser beam

 レーザは誘導放出による光の発振・増幅という物理現象を示し,light amplification by stimulated emission of radiationの頭文字をとったものである.発振器から出てきた光そのものを示す場合もあるが,この場合はレーザ光を用いるのが適切である.10nmから770μmまでの広い波長域で多くのレーザ発振が確認されているが,代表的なレーザ光を分類して以下に示す.\[{\rm{レーザ光}}\left\{ {\begin{array}{*{20}{l}} {\rm{気体レーザ({\rm{C}}{{\rm{O}}_2},He-Ne,エキシマ,Ar. I金属蒸気)}}\\ {\rm{固体レーザ(YAG,ガラス,ルビー,GSGG,YLF)}}\\ {\rm{半導体レーザ(AlGaAs,InGaAsP)}}\\ {\rm{液体レーザ(色素)}} \end{array}} \right.\]気体レーザはガス放電により励起され,発振波長が豊富,連続発振が容易,発振光の干渉性が高いなどの特長がある.大出力が得られるCO2レーザは材料加工には必要不可欠な工具となっている.固体レーザはランプ光により励起され,小形装置からの大出力と多様な発振形態を特長としている.大出力が得られるようになったNd:YAGレーザは微細加工から大形の加工まで幅広く利用されている.電流により直接励起される半導体レーザは装置を小形化できるだけでなく,低電圧・低電力で高効率発振し,光通信や情報処理に用いられている.YAGレーザなど他のレーザで励起される液体レーザは発振波長が変えられることから多様な応用が期待される.

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