放電加工

electrical discharge machining

 パルス状の放電で材料を加熱,溶融することにより除去加工を行う手法の総称であるが,主として次のような除去過程によるものをさす.①絶縁液中で対向した工具電極と工作物の間にパルス電圧を加える.②絶縁破壊により生じた過渡的なアーク放電で材料の一部が溶融する.③放電による絶縁液の気化で生じた大きな圧力変動により溶融部が飛散,除去される.このようにしてできた工作物面上の除去痕をクレータという.クレータ生成を繰返すことにより加工が進行する.電気的な条件と工具電極材料の選択により工具電極側のクレータ生成は抑制される.熱的な加工であるため,工作物の硬さや靭性の影響をほとんど受けない.おもな加工形態として,形彫り放電加工およびワイヤ放電加工があり,複雑な形状が容易に加工できることから金型の加工に広く用いられる.日本語,英語とも省略してEDMと称することが多い.

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