以前は形状精度という言葉が使われていた.しかし,つきつめてその意味を考えるとよく分からないことから世界的に使われなくなった.つまり,世界の規格としてISOでgeometrical deviationという言葉に統一された.現在,[JISB0621-1984](1994年確認)では幾何偏差の中の「形状偏差」という言葉で規定されている.その種類として,真直度,平面度,真円度,円筒度,線の輪郭度,面の輪郭度がある.それらの評価は,すべて幾何学的に正しい形状からの狂いの大きさで表されている.それらは最小領域法という考え方で統一されており,幾何学的に理想とする形状を持つ二つの線または面で評価対象とする形状をはさんだとき,その最小の距離(長さの単位)で形状偏差を表すことになっている.