設計条件の下で,ある目的に沿って最適化をはかるような設計を最適設計という.具体的には,設計において決定すべき主要なパラメータ(設計変数)を選択し,安全性や有用性などを確保するために課せられる条件(制約条件)を満足する領域(許容設計領域)の中で,コスト,機能,重量などの設計の目的とするもの(目的関数)を最適化(最小化あるいは最大化)するような設計変数を決定するような設計を最適設計という.設計変数は連続的な量と離散的な量の二つの場合が考えられ,後者は離散的最適設計と特に呼ばれる.また目的関数が複数考えられる場合は,多目的最適設計といわれる.さらに目的関数と制約条件の両方が設計変数の線形関数の場合線形最適設計と,それ以外の場合で非線形関数の場合には非線形最適設計と呼ばれる.数学的に定式化された最適設計問題は最適化手法によって解かれる.近年のコンピュータの発達により,構造解析,熱・流体解析をはじめとする諸解析がコンピュータにより高精度に行われるようになり,またその繰返し計算も可能となったために,最適設計は設計の下流部の詳細設計を中心に実用化されており,市販の解析プログラムも多く見られるようになってきている.その際に用いられる最適化手法は数理計画法が主となっている.今後設計の上流部への適用が進むと考えられるが,そのためには新しい最適化手法の活用が必要となる.