膜厚測定法

film thickness measuring technique

 固体表面上に,あるいは固体表面間に生成された膜の厚さを測定する方法.「電気容量法・:膜の両側を電極とし,電極間の電気容量を測定することにより,膜の厚さを測定する方法.潤滑膜の厚さや,塗料の膜厚などに使用される.・電気抵抗法・:膜の電気抵抗率が既知である場合は電気抵抗の測定から膜厚がわかる.・表面分析法の利用・:被膜の断面をEPMAにより分析することにより深さ方向の膜厚を測定する.斜めの断面被膜を観察することでより薄い膜の測定が可能となる.また,XPS(ESCA)の場合は,アルゴンなどのイオンを用いて,表面をスパッタリングにより除去しながら分析することにより,定性的ながらÅオーダーの被膜を測定することができる.・X線透過法・:測定する間隙にX線を照射し,その透過量から間げきの距離を求める.ローラ間に形成される油膜の測定などに使用される.・光干渉法・:油膜を形成する一方を鏡面とし,もう一方をガラスの表面に酸化チタンなどの薄膜を蒸着したハーフミラー板を使用してガラス面から光を照射し,油膜を通した反射光との間の干渉じまを観察することにより,使用する光の1/2波長の単位で油膜の厚さが測定できる.・レーザ―蛍光法・:染料を溶かした潤滑油を用いて形成した潤滑膜に特定の蛍光を発光するレーザを照射し,蛍光の強さから膜厚を求めるもの.内燃機関のピストンリングの潤滑解析などに応用される.