平均すきま理論

average film thickness theory

 流体潤滑において,面粗さの効果を解析するために,粗い面をこれと等価な平滑面で置換する方法.レイノルズ方程式に現れるすきまの三乗項h3,一乗項hをそれぞれすきまの三乗平均\(\widetilde {{h^3}}\),一乗平均\(\tilde h\)で置換する.平均化の方法は粗さが静止している(静止粗さ)か,走行している(走行粗さ)か,粗さの方向が走行方向に沿っているか(平行粗さ),直交しているか(直交粗さ)によって異なる.微小領域における面積平均すきまを\(\overline {{h^3}} \),\(\bar h\)とすれば,静止平行粗さでは,\(\widetilde {{h^3}} = \overline {{h^3}} \),\(\tilde h = \bar h\),静止直交粗さでは,\(\widetilde {{h^3}} = \widehat {{h^3}} = 1/\overline {\left( {1/{h^3}} \right)} ,\;\tilde h = \bar h \equiv \overline {\left( {1/{h^2}} \right)} /\overline {\left( {1/{h^3}} \right)} \)で,また走行直交粗さ,二次元粗さでは,これらを重み関数を付けて混合した形で与えられる.