走査型電子顕微鏡

scanning electron microscope

 電子銃で発生させた電子ビームを細かく絞って試料に照射すると,試料から種々の電子が発せられる.このような電子のうち50eV以下の電子は二次電子と呼ばれ,その強度はおもに試料の凹凸を反映する.走査型電子顕微鏡(略称SEM)では,この二次電子の検出信号をCRTの輝度変調信号とし,試料面上の電子ビームの走査と同期してCRT上に表示することにより,試料の拡大形態像を示す.分解能は1~20nm程度であり,光学顕微鏡に比べて極めて高倍率の拡大が可能である.なお,透過電子回折を利用する透過電子顕微鏡(略称TEM)では,分解能が0.2nm程度である.