超音波モータ

ultrasonic motor

 超音波領域の機械的振動を駆動源とするアクチュエータ.電磁モータに比べ小型・軽量で低速回転高トルクの特徴がある.多くの場合,超音波振動は圧電素子で与えられ,これに密着した弾性体を共振させることで大きな変位を得る.このとき弾性体の表面上の点をだ円運動させることでロータを摩擦駆動する.利用する振動モードにより定常波型と進行波型に大別される.定常波型は高トルク,高効率であるが小型化が難しい.進行波型は比較的自由に形状を設計でき小型化できる利点がある.カメラのオートフォーカス機構の駆動やブラインドの開閉に利用されている.金属板では進行波の方向と波頭の移動方向が反対になり,この上に乗っているスライダは進行波の波頭と接触する部分でだ円運動による接線力を受け,進行波の進行方向とは逆の左に進み,駆動力を得る.進行波型超音波モータの原理を図に示す.たわみ進行波が弾性板に生じると,板の表面の1点はだ円運動をする.

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