知能ロボット

intelligent robot

 感覚機能と動作機能が知的機能のもとで統合され実環境の状況に適応しつつ自律的に多様な行動を実現できる機械システムである.要素機能は,感覚認識機能,行動制御機能,計画適応機能,対話通信機能,の四つに大別される.感覚認識機能は,視覚,触覚,力覚,聴覚などのセンサ情報を処理して実環境の状態と状況変化を即時に認識し理解する.行動制御機能には,マニピュレータやハンドによる柔軟かつ適応的な物体操作,脚または車輪による自律的移動が含まれる.計画適応機能はロボットの知的機能の中核であり,問題を解決し行動の計画を立てる上位の知能といろいろな状況変化に即時適応し学習していくための動作レベルの知能からなる.対話通信機能は,人間との自然なやりとりを実現するための知的対話インタフェースである.これらの機能をすべて備えることが理想であるが,技術的にはまだ困難であり,感覚や適応などの一部の機能を備えたものも知能ロボットと呼ばれている.将来,ロボットがさまざまなシーンで人間を助ける新機械群として発展していくためには,自然環境と人間との共生が鍵であり,自然環境の認識と状況変化に即時適応する知能,普通の人でも簡単に仕事を指示できるようにする知能,人間や物体と直接ふれあう行動制御機能における柔らかさと安全性のための知能,などが重要な課題となる.