力制御

force control

 機械システムが操作する作業物体と環境との間の相互作用力を直接制御する方法.環境と作業物体の接触を伴う作業で,機械システムの計測誤差や運動誤差による過大な衝撃力,干渉力を防止するためには,それらの力を制御する力制御機能が必要である.力制御手法としては,作業物体と環境との間の幾何学拘束条件により定まる自然拘束の方向に陽に力指令を与えるハイブリッド制御,システムのコンプライアンス(インピーダンス)を仮想的に制御し,陰に干渉力を抑制するコンプライアンス制御,インピーダンス制御が代表的である.精度の良い力制御を実現するためには,高精度な力覚センサの使用と,その検出情報を制御器にフィードバックする力フィードバックにより,機械システムが有する摩擦などの非線形要素の影響を補償する必要がある.これには,操作点に近いところに配置した力覚センサからの信号を用いて閉ループ制御系を構成する手法と,各アクチュエータでローカルな閉ループ制御系を構成するトルク制御手法が提案されている.