縮退

degeneracy of degree-of-freedom

大きさのある物体は三次元空間で6個の運動自由度を持つから,ロボットアームを用いて物体を空間中で自由に操るには,1軸の回転あるいは並進機能を持ついわゆる1自由度関節を少なくとも6個備えたアームを必要とする.しかし,こうしたアームでも,2個以上の関節がアーム先端に対し同一の運動効果を与えるように配列されると,物体の運動のすべてを操作できない場合が生じる.このように,アームなどのリンク機構の各関節の自由度総数に等しい自由度を持つ運動を機構先端において生成できない場合,自由度が縮退するという.

ベクトルの複数個の集まりがあり,これらが互いに一次従属となること.線形計画問題を単体法により解く場合には,自由度の縮退により,独立な基底がとれなくなる.計算に際して循環が発生する恐れがある.最適解が一意に定まらなくなるなどの問題が生じることがある.縮退が発生した場合には,例外処理的な方法による解決が必要である.