人が接近しにくいところや,人にとって危険な作業環境下において,人に代わって作業を実行するロボットである.代表的作業環境下として原子力発電所における高放射線下作業,海底・海中における高圧下作業,火災現場における高温下作業などがある.ロボットの構成としては極限環境下で作業を行うロボット本体と,ロボットと通信手段を用いて結合された操作装置・表示器などからなることが多い.ロボットの機能や作業能力を高めるためのロボットの自律化制御や,操作者の操作を容易にするための遠隔臨場感など,最新の制御技術を駆使して目的を完遂する.本ロボットは通産省大型プロジェクトの開発テーマによってその名が知られることになるとともに,具備すべき基礎技術の開発が行われた.代表的技術として,異構造マスタスレーブ制御,テレイグジスタンス,高技能マニピュレーション,知的遠隔制御技術等がある.また,図に示す原子力対応の試行機のほか,海洋,防災対応の試行機が開発され,その後の知的ロボット研究の基礎となっている.