医療ロボット

medical robot

 医学や歯学分野における医療行為全般,およびそれに付随する行為に対して用いられるロボット.また,広義的には,看護・介助,研究,教育など広く医学関連の各現場で用いられるロボットも含み,医用ロボットと同義.この内の看護介助ロボットは,患者看護のみならず高齢者や障害者の日常生活の介助や自立支援も行うため,福祉ロボットの範ちゅうも含まれる.医療ロボットの種類と目的(かっこ内)を分類すると,①診断ロボット(患者の検査と診断),②治療ロボット(患者の生命救済と健康回復を目的とした治療),③リハビリテーションロボット(社会復帰を目的とした身体機能の訓練),④看護介助ロボット(看護・介護者の支援,患者・高齢者・障害者などの日常生活の自立と介助支援),⑤院内作業ロボット(病院内作業の自動化・省力化,スタッフの感染防止),⑥研究用ロボット(医学的研究における特殊操作),⑦教育用ロボット(患者シミュレータによる医学教育の充実),となる.この中で治療や検査に直接携わるロボットや高齢者,患者,障害者などの介護や介助の支援を行うロボットの多くは,①直接患者に接触する,②作業内容が一律でなく常に変化する,③動作の試行錯誤ができない.④ロボットの専門家でない人が使用する,など一般の産業用ロボットとは異なる性格を持つ.我が国はこの分野で世界をリードしているが,特に,臨床応用に際しては,対人安全性や信頼性の高いシステムが求められる.