Lomakin効果

Lomakin effect

ターボ機械には、インペラ等で昇圧した流体が低圧部に戻らないようにシールが設けられている。シールの中で軸受と同じような正の剛性を有する効果があり、Lomakin効果として知られている。最も単純な形状の環状シールでは、まず、入口で圧力降下が起こり、そして漏れによる抵抗によりシール内で圧力がさらに降下し出口圧力となる。軸が偏芯すると、偏芯した側はすきまが狭くなり、漏れによる圧力降下が大きくなるので、入口での圧力降下が小さくなる。したがって、偏芯した側が反対側に比べ軸方向に沿って圧力が高くなり、軸に復元力が作用し、正の剛性となる。環状シールではLomakin効果により固有振動数が上がり、その結果、安定性がよくなるが、ねじシールのように積極的に圧力差をなくし漏れを小さくするとこの効果はなくなり負の剛性になるので注意が必要である。