例えばファンデルポールの方程式と呼ばれる非線形振動方程式\(m\ddot x - c\dot x + {c_2}{x^2}\dot x + kx = 0\)において\({c_2} = 0\)なら線形自励振動で時間とともに振幅が増大する発散振動であるが,\({c_2} \ne 0\)ではxが大きくなるにつれて正の減衰が働く.そこで,正と負の減衰が釣合うような振幅で振動は定常的になる.このような定常振動をリミットサイクルという.初期振幅が大きくても小さくても,振動は時間とともにリミットサイクルに引込まれることが知られている.