ホームオートメーション

home automation

 家庭内の機器を自動制御し,住む人に快適な生活を提供するシステム.一般にHAと略称される.初期においては自動制御の意味合いが強かったが,現在では家庭内の情報・通信・映像を包含したものを意味している.国内で規格化されているHAはホームバスシステム(HBS)である.HBS(ET-2101)は1988年9月(社)日本電子機械工業会と(財)電波技術協会により制定された.HBSにおいては2本の同軸ケーブル1,2および四対のツイストペアケーブルが伝送媒体として使用される.同軸ケーブルは映像情報用に,ツイストペアケーブルは音声・データ用に主として使用される.情報分電盤は配線された同軸およびツイストペアケーブルを収容するほか,ブースタ,分配器,ホームテレホン主装置などを収容する箱である.情報分電盤は外部情報網と宅内バスの分界点であり,また宅内バスの分配点でもある.
情報コンセントはホームバスに接続された各種端末機器が通信を行い,情報を得るためのコンセントである.ホームバスの伝送媒体の種類により,ツイストペアケーブル用のモジュラ型,同軸ケーブルの情報チャネル用のC15型,およびその制御チャネル用のRCAピンコネクタがある.家庭内のサービスは次の三つに分類される.HK (house keeping), CT (communication & telephone), AVC (audio video & computer).
HKは家庭内の機器,例えばエアコン,照明,電気錠などをコントローラから制御したり,火災センサ,ガスセンサなどのセキュリティ情報を収集して発信を行うものである.これらの機器およびセンサはIFU (interface unit)を介してバスに接続され,IFUは端末機器とホームバス間の通信を行う.これらの制御およびセキュリティ状態はホームコントローラに表示される.ホームコントローラの機能をその場所に必要なもののみに簡素化したものをサブコントローラという.ホームコントローラは家庭内の情報を表示することから住宅情報盤とも呼ばれる.宅内機器の制御およびセキュリティ監視は外出先の電話機から一般のプッシュホン回線を介して行うこともできる.これをテレコントロールという.CTは外部の公衆回線網と接続され,電話,ファクシミリ,パーソナルコンピュータによる通信などを利用することができる.四対のツイストペアケーブルを用いているのでISDNのサービスを利用することもできる.宅内ではホームテレホンを組むことができ,玄関のカメラドアホンからの呼出しにどの部屋からも応答することができる.AVCは屋根の上に設置されたVHF,UHF,BS,CSのアンテナからの映像・音声および監視カメラの映像などを各部屋の情報コンセントまで配信することができる.

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