非線形系とは入力と出力の間に線形関係が成立しない系のことである.実在するシステムは厳密にはすべて非線形系であるが,一般には平衡点近傍での線形近似によって線形系に帰着していることが多い.非線形系は線形系のように重ね合せの原理が成立しないことから解析が一気に複雑になる.しかし,線形近似のできないものも多く,最初から非線形系として扱わざるを得ない要素もある.例えば,サーボ系を例にとると,非線形ばね,アンプの飽和,モータなどの摩擦,歯車のバックラッシ,そのほか,不感帯などがある.