制御装置を設計する際には,制御対象,制御装置とフィードバックループによって作られた閉ループ系の安定性を確保する必要があるが,ナイキストの安定条件(安定判別法)は,制御対象と制御装置の直列結合からなる開ループ系の周波数応答から,閉ループ系の安定性を調べるための条件を与えている.制御対象の極と0点の値や次数を正確に知ることなしに,開ループ系の周波数応答(場合によっては実験データ)から,閉ループ系の安定性を判別できることがこの条件の利点である.また,制御系のロバスト性の指標である安定余有の概念の根拠になっている.