自動制御

automatic control

 制御装置によって自動的に行われる制御が自動制御である.制御装置は調節部,操作部,検出部からなっており,これは,人間の頭脳,手足,五感にそれぞれ対応する.制御装置の中の調節部は,その演算方法によって,アナログ式とディジタル式に分けられる.演算がアナログ式のとき,アナログ制御という.これに対して,ディジタル演算を行う制御をディジタル制御という.アナログ制御では,調節部の演算は空気圧や電子回路などによって行われるため,このハードウェアを製作しなければならない.そのうえ制御のための演算内容はハードウェアの制約のため,比例,微分(近似微分),積分など簡単なものに限られる.これに対して,ディジタル制御では,調節部の設計は,計算機プログラムの作成に帰着する.制御系の目標によって,定置制御,追従制御,プログラム制御に分類される.目標値が一定の制御を定置制御,目標値が変化する制御を追従制御,目標値があらかじめ定められた変化をする制御をプログラム制御という.制御量の種類による分類もある.制御量が工業プロセスの状態に関する諸量(例えば,温度,流量,圧力,液位)のときプロセス制御という.これに対して,物体の位置方位,姿勢などを制御量とし,目標値の任意の変化に追従するように構成された制御系をサーボ機構またはサーボ系という.