極・零点消去

polezero cancellation

 状態空間で表されているシステムが不可制御や不可観測であるとき状態方程式の次数と伝達関数の次数は異なってくる.これは状態方程式を伝達関数に変換したとき,分子と分母に共通因子があるためで,分子の零点と分母の極とが相殺するからで,これを極・零点相殺または極・零点消去という.このような場合,伝達関数はシステムを正確に表現していないことになる.一般に信号の流れに沿って,零点を極で相殺すると不可制御となり,極を零点で相殺すると不可観測となることが知られている.以上から伝達関数で表現できるのはシステムが可制御・可観測の場合のみである.