図において\({a_i}(i = 1,2, \cdots ,n)\)を適当に0か1に選定すれば,\(N = {2^n} - 1\)の最大周期をもつ二値系列信号が得られ,これは最大周期列信号,すなわちM系列信号と呼ばれる.M系列発生回路のシフトレジスタを駆動するシフトパルスの周期をΔtとし,0と1をそれぞれ-1と1に対応させてΔt秒間その値を保持した時間関数m(t)を考えれば,Δtごとに1か-1をとる方形波になる.Nを十分大きくすれば,このM系列は平均値0で,Δt以上離れると相関がまったくない二値信号となる.これは,1周期内では一様なスペクトルを持つ白色雑音の性質を有し,一次の低域フィルタを通せば,その時定数がΔtより大きく,nΔtよりも小さい限り,正規不規則過程と見なせる雑音が得られる.