蒸気原動所

steam power plant, steam power station

 エネルギー資源である石炭,天然ガス,核燃料などを利用し電気エネルギーとして取出す機械設備を総称して火力/原子力発電所と呼んでいる.火力/原子力発電所の設備のなかでエネルギー変換の動作流体として水蒸気を用い,蒸気タービンを回して電力を発生する一群の構成機器をまとめて蒸気原動所と呼ぶ.火力発電所の場合は蒸気原動所と内燃力発電所が混在している場合がある.その場合,蒸気原動所は火力発電所の大きな一部分になる.蒸気原動所の構成は,燃焼や反応熱により高温高圧の蒸気を発生するボイラまたは原子炉蒸気発生装置と,その蒸気を高速の噴流にしてロータを回すことにより発電する蒸気タービン,発電機,およびその付属設備からなっている.火力の蒸気原動所には発電専門の事業用火力発電所と生産工場用の蒸気を発生させながら工場の所内電力用の電気エネルギーを取出す自家用火力発電所とがある.蒸気原動所の基準熱サイクルはランキンサイクルであるが,事業用火力発電所では,再生あるいは再熱再生サイクルが採用され,高効率化が図られている.また,自家用火力発電所では工場での蒸気使用条件によって,背圧タービンや抽気タービンによる原動所サイクルが多く採用されている.