コンバインドサイクル

combined cycle

 熱エネルギーの有効利用を図るために,エネルギー変換の内容の内,高温側のサイクル変換と低温側のサイクル変換を温度的に直列に組合せたシステム形変換をコンバインドサイクルという.この複合方式としては,ブレイトンサイクル,オットーサイクルとディーゼルサイクルを組合せた合成サイクルおよびランキンサイクルなどの各種熱機関サイクルを組合せたサイクルが考えられており,複数の作動流体を組合せて,原動所全体としての効率の向上,設備費の低減を企図したもの.多くの作動流体を組合せるとそれだけ装置が複雑化し,かえって利点が損なわれるので,一般には二流体の組合せが用いられる.実用化されている複合サイクルの一例として,蒸気・ガスタービン複合サイクルがある.このサイクルは,燃焼ガスを作動流体とするガスタービンのブレイトンサイクルを高温側のサイクルに用い,その燃焼ガスを,低温側における水蒸気を作動流体とするランキンサイクルの加熱流体として利用することにより,複合サイクル熱機関としての作動温度を高め,総合熱効率を向上させるものである.このサイクルで,現在の主流をなしているのが,ガスタービンの排気の熱エネルギーを排熱回収熱交換器で回収し,発生した蒸気を蒸気タービンサイクルに導き,原動所の総合熱効率の向上を図る方式である排熱回収式複合サイクルである[JIS B 0228, JIS B 0230].