火力発電所

thermal power station

火力発電所に使用される燃料は,石炭,石油(重油・原油など),天然ガス(LNGおよびLPGなど)などがあり,これら燃料が有する熱エネルギーを電気エネルギーに変換する方法として,ボイラなどで燃焼させた燃焼エネルギーを水に与え,発生した蒸気をタービンに通して発電する方式(外燃機関)と,原動機内に燃料を導き燃焼エネルギーを利用する発電方式(内燃機関)がある.
特に作動流体に水を用いる発電方式を汽力発電といい,火力発電の大部分を占める.
 汽力発電所は,燃料をバーナを用いて燃焼させ,ボイラ内の水管を流れる純水に熱エネルギーを与える.純水は,ボイラ内で加熱され蒸気となってタービンに送られるが,湿り蒸気ではタービンの翼にドレンアタックなどの悪影響を与えるので,この蒸気を過熱器を通して乾き蒸気にしてタービンに送る.タービンの役目は,蒸気の持つ熱エネルギーを機械エネルギー(回転力)に変換し発電機を駆動する.また,タービンで仕事をした蒸気は,復水器で海水と熱交換され蒸発潜熱を放出して復水(純水)に戻る.このように,汽力発電所のタービン駆動媒体は,純水~蒸気~純水の相変化が開放部のない閉サイクル(ランキンサイクル)で構成される.汽力発電では水を駆動媒体に用いることから,温度上昇による熱効率向上にはある程度の限界がありおおむね40%強である.
 これに対しガスタービンと蒸気タービンを組合せたコンバインドサイクルは,燃焼ガスがガスタービンの直接駆動媒体(ブレイトンサイクル)であることから,ガスタービンの燃焼温度の高温化により,一層の効率向上が見込まれる.1300℃ガスタービンでおおむね48~49%(高位発熱量ベース)である.

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