接触して同じ方向へ流れる二つの気体の混合には流れ場の不安定により生じる渦構造を利用することが多い.ところが,超音速流では圧縮性の影響で不安定が抑えられ,混合が極端に悪くなる.しかし,その程度は二つの流れの速度差に基づくマッハ数に支配されるため,仮に二つの流れがともに超音速であっても,速度差が音速以下であれば,混合の程度は亜音速の場合と差はない.超音速混合は,燃焼器内の流れが超音速であるスクラムジェットエンジンにおいて重要な課題で,混合の促進を図るさまざまな試みが提案されている.