ガスエンジン

gas engine, gas-fueled engine

 ガスエンジン(ガス機関)は石炭ガス,発生機ガス,溶鉱炉ガス,天然ガス,液化石油ガス(LPG)など気体燃料を用いる往復式内燃機関であって,混合器(ミキサ)を使って空気と予混合し火花点火する形式が主体である.発生機ガスは発生炉で固形燃料をCO,H2を含む気体にしたもので,第二次世界大戦中には自動車用あるいは農工用に使用された.天然ガスエンジンはアメリカでは古くから使われていたが,最近は代替燃料としての役割とエネルギーの有効利用の観点からコージェネレーション用として普及しつつある.天然ガスは高いアンチノック性を持つので小型機関では圧縮比を11以上にできる.そのため高い熱効率が得られ,また中・大型機関も成立する.さらに,天然ガスを約200気圧でボンベに詰めて携帯することにより自動車用に使うことが検討されている.LPGは10気圧以下で液化でき携帯が容易なため,LPGエンジンは自動車用に使われている.これらの気体燃料を使うと吸入空気量が減って機関出力が低下するので過給を施すのが望ましい.また,ディーゼル機関に気体燃料を吸入し,ディーゼル燃料を着火油として点火する着火油点火エンジンもガスエンジンとして使われる.さらに,圧縮終わりに気体燃料を少量の着火油とともに,もしくは別々に噴射するガスディーゼルエンジンや気体燃料を圧縮終わりに噴射するグロープラグ点火エンジンも実用されている.