乱流熱伝達

turbulent heat transfer

 乱流境界層で行われる対流熱伝達をさす.乱流熱伝達では,分子運動に起因する流体の粘性や熱伝導のほかに,流体塊の乱流混合が大きく寄与するので,層流の場合に比べて,その熱伝達は格段に優れている.乱れによる速度の均一化が強く,熱抵抗の大半が壁面近傍の粘性低層や遷移域に現れるので,代表寸法に水力直径を用いれば,流路形状によるヌセルト数の違いは僅少である.同様に,熱流束一定の場合の熱伝達率hqと,壁温一定の場合の熱伝達率hTの違いもわずかである.熱伝達の指標であるヌセルト数は,内部流・外部流にかかわらず,強制対流ではレイノルズ数の0.8乗に比例し,コルバーンのアナロジーがよく成り立つ.【強制対流強制対流熱伝達コルバーンのj因子