ライデンフロスト現象

Leidenfrost phenomenon

 液滴が,その飽和温度以上の固体面上で蒸発する現象.一般に蒸発様相は,固体面の温度が高くなるとともに,①固体面に液滴が付着したレンズ状蒸発から,気泡の発生を伴うようになり,さらに②液滴が固体面に間欠的にしか触れられず面上でダンスする状態を経て,③液滴と蒸気膜に支えられて蒸発するスフェロイド状態へと遷移する.蒸発時間は,固体面温度の上昇とともに①の領域で減少し,②の領域では増大し,③の領域では再び減少するため,①と②との間で最小となり,②と③との間で最大となる.蒸発時間が最大となる固体面温度を,ライデンフロスト温度という.