二液相，あるいは固液相間に分配している溶質の割合を示す係数．熱力学的平衡状態で定義されるため平衡分配係数とも呼ばれ，液体の平均濃度に対する比として与えられる実効分配係数と区別される．凝固界面ではこの分配係数にもとづく組成となるが，界面前方の液相側では溶質の再分配による濃度場が形成され，温度場との関係で熱学的に不安定が生ずることが多い．固溶体を形成しない水溶液の凝固では，このような組成的過冷が容易に生じ，結晶成長による固液共存域を形成する．