デトネーション

detonation

 燃焼反応を起こす領域が伝ぱする形態の一つで,衝撃波背後で燃焼反応を起こす波の伝わる現象.爆ごうともいう.この波をデトネーション波あるいは爆ごう波といい,その伝ぱ速度すなわちデトネーション速度は,超音速である.燃焼反応を伴った一次元の波面が混合気中を伝ぱしているとしたときの波面背後の状態を圧力-密度線図に表すと,図のウゴニオ曲線のようになる.ウゴニオ曲線上のEよりp2/p1の大きい部分がデトネーション波の背後の状態として可能である.波面前方の状態を表す点Aからウゴニオ曲線のこの部分に接線を引いたときの接点Bは,エンタルピー最小の状態であり,安定なデトネーション波背後の状態を示し,チャップマン・ジュゲ(C-J)点という.C-J点により予測されるデトネーション速度は,実際の計測値とよく合う.デトネーションの発生は,可燃性気体と酸化剤の種類,濃度,圧力および温度,加えられるエネルギーの性質および大きさ,空間の状況などによる.これらの要因の一つ一つの特性を示す量にそれぞれデトネーション限界,すなわちデトネーションが起こり得る範囲がある.

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