断熱というとき,断熱材で代表される熱の出入りを防ぐ保温・保冷の立場と,断熱変化に代表される熱移動のない過程を表す場合とがある.熱は,伝導,対流,放射により移動するので,断熱効果を良くするには,熱伝導率の小さい物質を使い,対流を防ぐため適当な大きさの空げきを設けるか,真空にし,さらに放射率の小さい表面を利用することなどが重要である.断熱変化の場合には,熱の出入りを考慮する必要がないほど,高速度で変化する現象というように,時間的因子も加えて考慮されることが多い.